★府美協巡回展が開催危うし

 今日、緊急に大阪府美術家協会(以下府美協と略す)事務局会議が招集された。14日には府美協第36回総会がアピオ大阪で無事終わったばかり。4月からは巡回展が始まる準備の時期である。
 この時期、緊急に事務局会議が招集されたのは、府の助成事業として長年巡回展を取り組んできたが、新しい橋下大阪府知事が、補助・助成などの事業を見直すとして、助成金を凍結、助成金が下りてこないことになった。そのための対策を早急に立てないと、巡回展開催市では準備に入っているので混乱が起こることが予想されるからである。
 府美協の巡回展は、大阪府を南北二つに分け、それぞれ府立現代美術センターを皮切りに、南地域は4市(岸和田市、八尾市、堺市河内長野市)北地域は6市(豊中市高槻市箕面市寝屋川市守口市摂津市)を巡回して会員の作品を展示し府民との交流を図る事業である。毎年、鑑賞者は全会場で1万余人。これまで回を重ねて30回、今年は31回目である。
 当初は府の助成事業として、助成金が下りた上に府立現代美術センターの会場使用料は無料であり、府の助成事業ということで開催各市でも理解を示されて、作品の運送費は市が負担、会場費は無料であった。しかし経済事情の悪化という理由で府の助成金が減額になり、府立現代美術センターの会場使用料は有料となり、各市でも作品運送費は府美協が負担することとなってきている。で、ここのところ巡回展は助成金をいただいていても大きな赤字である。しかし、府美協の創立理念に基づき、府の文化の振興、府民と作品を通しての交流をはかるために、会費を値上げしたりしながら続けてきたのであった。こんな活動をしている美術団体は府県単位では、他にはないのではなかろうか。
 だが前述のように、橋下知事が事業の見直しをするということで、府美協への助成金も凍結されることとなり、巡回展が大きな曲がり角にきたことになる。府美協の「創立理念」は大きく変質を余儀なくされることとなる。とりあえず、府立現代美術センターでの開催は不可能だし、10市での開催も数を減らさざるを得ない。そうして何とか「巡回展」の事業の継続を図るほかなかろう。事務局会議でおおよそこのようなことで議論が煮詰まり、運営委員会に提案することとなった。
 それにしても、橋下知事のやり方には納得がいかない。長年積み重ねてきた運動や活動を、有無を言わさず強引に切り捨てて進めるやり方はやがて府民との対立や矛盾が高じて挫折せざるを得ないのでは・・・・。もっと現状をよく見て聞いてからの判断が必要ではないのだろうか。

 
*写真は大阪府美術家協会第36回総会会場風景
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