★「こだま」250号(2008年1月)が届く

『平和の塔』(寝屋川市・初本町公園)

 「こだま」250号が届けられた。
 この絵は、寝屋川市の中部にある初本町公園に建っている「平和の塔」の絵である。この塔は、寝屋川市が市制施行40年を記念して、平成3年に幸福と平和を願うシンボルとして建立された。
 当時、ひろく市内外から塔のデザインを募集して、選定委員会が応募の中から選び決定して建立の運びとなたものである。わたしも、市教育委員会委員や市文化連盟の副会長などをしていた関係から、選定委員会のメンバーの一員に委嘱されていた。
 わたしは、応募作品の中から別の作品を推奨したが、皆さん多数の意見で現在建っている作品に決定されたものである。市の人権文化課の案内説明によれば、「抽象化した寄り添う親子をモチーフにおたがいが相手を信頼し、愛し、かばい合う姿を表すことにより平和を象徴しています」とある。わたしは、抽象化ならもっと徹底して抽象化するか、逆に具象的で柔らかく温かみのある像にしたほうが市民に親しまれるのではないかと、当時思った。選定委員会で議論の末決まったのだから、異論のあるはずはなく、ただ、造形に対する美術家としての私見を当時を思い出して記したまでである。
 なお、昨年8月6日には塔の前で、一昨年に引き続いて、市主催・人権文化課が担当して、「ピース寝屋川2007」として開催され、『戦争体験朗読劇』が「劇団いろえんぴつ」によって公演された。寝屋川市内で、当時戦争被害を受けた何人かの実話を元に構成されている。PRのチラシやポスターのイラストは、担当課からの依頼で、わたしが担当した。