★様変わり今昔思い出話(5)

 寒さで思い出したことの続き2件。
〔1〕当時の子どもらは、冬を越す度に手足の指が霜焼けになりました。赤く腫れて痛くて難儀しました。腫れが高じて、じくじくと崩れて困ったものでした。包帯を巻いて対処したこともありました。春近くになって気温が上がってくると、辛抱できないほど、霜焼けが痒くなりました。でも、掻けば新たな傷を作ることになりかねませんので、がまんしました。わたしは、必ずといっていいほど、毎冬霜焼けになっていました。
 いまの子どもたちは、当時に比べて気温も高く、暖房器具・設備も行き届き、霜焼けなんて知らないで大人になって行くのでしょう。結構なことです。

〔2〕戦時中の終盤の冬、炬燵(こたつ)で暖かい布団の中に入って眠りに落ちるころ、決まったように米機B29の来襲があり、空襲警報が発令されます。潮岬の南方から紀伊水道を北上して来るのです。暖かい布団から出て、服に着替え防空壕に避難したものでした。寝入りばなを起こされ、寒さと緊張・恐怖とで、がたがた震えて歯の根が合わないことがしばしばありました。幸いわたしの住む近在には、爆撃の被害はありませんでしたが、あんなことはもう懲り懲りです。
 再び戦争なんかに巻き込まれないように、願っています。
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