★「大谷池(高宮あさひ丘)にて」

大谷池(高宮あさひ丘)にて

 15日に書いた寝屋川市の成立ちでいうと、大谷池は豊野地区、わたしは友呂岐地区で育ったので、余り馴染みがない池ではある。しかし馴染みのあるところばかり取材していては偏るので、市内をなるだけ万遍にと思っている。そこである日寝屋川市の地図を広げて、今日はここら辺りにしようとおおよその見当をつけて家を出、市内なら何処でも歩いて行く。*1
 大谷池はそれほど大きな池ではない。三月の初め、暖かい初春の午前に、この池にたどり着きスケッチの場所を定める。
 じっと池から辺りを眺めてスケッチし始めると、勝手なわたしの妄想がはじまった。高い調子のトランペットが響き渡り続いてドラム、何の変哲もない池の風景を背景に、センセーショナルに文字(映画の題名)がズームアップしてとまる。ある郊外の平穏な日常に起こる非日常的な事件の発覚発端のシーンが映し出される。池から・・・・・、突如、池の対岸の道を廃品回収の軽トラが走ってきて声高にアナウンスを始めたので、わたしのサスペンスドラマは配役の役者の名前が映し出されるままに現実に戻されて、目前の何気ない安穏な風景に戻った。

*1:絵は水彩紙にアクリル画寝屋川市職員労働組合機関誌「こだま」2007年4月号(No.247)掲載・無断転載はお断り